A. 炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたものをいいます。炭水化物の中の大部分が糖質、一部が食物繊維になります。
「糖質を少し控えましょう」とか「炭水化物を減らしましょう」という言葉をよく耳にしますよね。この2つ、同じ意味のようで実は違います。その違いを知ることで、なるほど!とすっきりしますよ(^^)
炭水化物とは?
炭水化物は、ご飯やパン、麺、いも類、果物などに含まれる栄養素で、体にとって大切なエネルギー源です。大きく分けると次の2つに分類されます。
- 糖質:消化・吸収され、体のエネルギー源になる栄養素
- 食物繊維:消化・吸収されず、体の健康に重要な働きをしてくれる
つまり「炭水化物 = 糖質 + 食物繊維」となります。
糖質とは?
糖質は炭水化物の中で「血糖値に直接影響する部分」です。
白米や砂糖、パン、うどんなどに多く含まれていて、食べるとすぐに血糖値が上昇します。糖尿病の食事で糖質の量を意識するのはこのためです。
一方で糖質は体を動かすための大切なエネルギー源です。摂りすぎると血糖値が高くなりやすいため、食べる量や食事バランスに注意が必要です。
食物繊維の役割
炭水化物の中でもう一つの要素である食物繊維は、血糖値を上げません。それどころか体にうれしい働きをいっぱいしてくれます。
- 小腸で糖質の吸収をゆるやかにする
- 腸内環境を整えて便通を改善する
- 血中の悪玉コレステロールを下げる働きがある
特に糖尿病の方、血糖値が高めの方にとって重要なのは「糖質の吸収をゆるやかにする」効果です。たとえば野菜や海藻、きのこ類を食事の最初にとる(ベジファースト)と、血糖値の上昇が緩やかになります。
食品での違いの例
具体的に食品で比べてみましょう!
- 白ご飯(100g):炭水化物は約37g。そのほとんどが糖質で、食物繊維はごく少量。
- 玄米ご飯(100g):炭水化物は約35g。そのうち糖質は少し少なく、食物繊維が白米の約3倍。
- りんご(1個):炭水化物の中に糖質と食物繊維が両方含まれ、甘さの元は糖質ですが、皮ごと食べると食物繊維もとれます。
このように、同じ炭水化物でも糖質と食物繊維の割合が異なり、血糖値の上がり方に差が出てきます。
まとめ
- 炭水化物=「糖質+食物繊維」
- 血糖値を上げるのは糖質
- 食物繊維は血糖値の上昇を抑え、腸内環境を整える
糖尿病の食事では「糖質を控える」だけでなく、「食物繊維をしっかりとる」こともとても大切です。ご飯やパンの主食量を意識しながら、野菜や海藻、きのこ類を積極的に取り入れてみてください。バランスを工夫することで、きっと血糖コントロールが安定してきますよ(^^)/
コメント