A. 血糖値はその時点の状態を示し、HbA1cは過去1〜2か月の血糖コントロールの状態を示します!
血糖値とHbA1cは何が違うの?
健康診断などをすると採血結果の項目に、「血糖値」と「HbA1c」の両方をよく目にすると思います。
血糖値は、検査や自己測定をしたその瞬間の血液中のブドウ糖の濃度を表す数値です。朝食前に測った血糖値、食後2時間後の血糖値など、その時点の状態を表します。
一方、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、過去1〜2か月間の平均的な血糖の状態を反映する数値です。短期間の変動に左右されにくいため、血糖コントロールの「成績表」のような役割を果たします。
血糖値は食事や活動で変動する
血糖値は、前日の食事や直前の運動・睡眠不足・ストレスなど、さまざまな要因で上がったり下がったりします。
たとえば前日の夕食時間が遅かったり、食事量が多かったりすると翌朝の空腹時血糖値が高めに出やすくなります。
「空腹で採血したのに今日はいつもより血糖値が高いな」と思ったら、前日の食事や睡眠状況、身体活動量などが影響しているので、昨日を振り返るとなぜ今高いのか分かるかもしれませんね。
また、食後すぐに血糖を測れば当然高めに出ますし、逆に運動をすれば一時的に下がります。
このように血糖値は「その時の血液の状態」を知るうえで必要な情報ですが、短期的な要因に影響されやすいため、数値が高かったり低かったりしても一喜一憂する必要はありません。
HbA1cは安定した指標
HbA1cは、赤血球の中にあるタンパク質(ヘモグロビン)と血液中のブドウ糖が結合する割合を示す数値です。赤血球の寿命は約120日あるため、HbA1cはおおよそ1〜2か月の平均的な血糖の状態を反映しています。
そのため、多少その日の血糖値が高くても、全体的に良好なコントロールができていればHbA1cの数値は安定します。逆に、普段から血糖が高い状態が続いていれば、HbA1cも高くなります。
治療目標は「HbA1c 7.0%未満」
糖尿病の治療目標のひとつは、HbA1cを7.0%未満に保つことです。もちろん、年齢や合併症の有無によって個別に調整されますが、基本的には「7.0%未満」が目安となります。
血糖値は一時的に高くなることもありますが、それ自体がすぐに大きな問題になるわけではありません。大切なのは日々の食生活や運動習慣を整えて、長期的にHbA1cを安定させることなのです。
血糖管理のコツ
- 血糖値は参考までに:その日の体調や食事の影響を確認するために活用
- HbA1cは目標に:1〜2か月の平均を見て、自分の生活習慣がうまくいっているかを判断
- 一喜一憂しない:食後に血糖が上がっても、全体としてHbA1cが安定していればOK
- 生活習慣をコツコツ:バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠を継続することが大切
まとめ
血糖値とHbA1cはどちらも大切な数値ですが、役割が異なります。
- 血糖値:その時点の状態を示す
- HbA1c:過去1〜2か月の平均を示す
血糖値が一時的に高くても落ち込む必要はありません。一喜一憂せずに、食事や運動など生活習慣を整えて、安定したHbA1cを保つことを目指していきましょう☆
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